TANNOY ARDEN導入の顛末を書いていきます。
まず HPD385 A の4本のボルト外しボロボロのウレタンエッジの隙間から指を差し入れて
エンクロージャから引き抜きます。養生しておいたフロントバッフルの上に載せます。
固着しているということもなく、ALTEC 604と比べるとごく軽いユニットなんで簡単に取り外しできます。
ネットワークは正面から4本のネジを外すだけで簡単に取り外しができます。
エッジ張り替えの修繕の為業者さんに発送しますが、向かい合わせにボルトで連結して
ネットワークの取り外しもファストン端子を引き抜くだけで簡単です。
TANNOY ARDEN はウレタンエッジなので約10年でボロボロになる。
音質はオリジナルのウレタンエッジがベストだが、40年以上持つゴムエッジに
張替えがお勧めではないだろうか。高温多湿による保存環境の問題で
高音が出なくなるギャップ内の錆び付きは外観が綺麗なものを買えば回避できる事が多い。
ゴムエッジ交換とギャップ内清掃込みでペア4万ほどでやってくれる優良業者あり。
ANNOY ARDENは自分でユニットやネットワークを取り外して修理業者に送る場合も
六角レンチ一本だけで素人でも迷うことなく簡単に取り外し送付ができる。
オークションでほぼ毎週出回っているので入手性も高い。
TANNOY Moniter GOLDはあまりクセのない音でコクもないし試聴せず買ってしまった人は
騙されたと思う。雑誌では「TANNOY は アンプを選ぶ」と注釈されていて世評と現実との
違いに不満が出ないようにフォローを入れているのだが、知識と経験があれば筆者の文章
の行間を読むことも可能だ。
Moniter REDは流石に格調高い表現力があるけど古風かなと、プログラムソースはかなり選ぶ。
TANNOY ArdenとBerkelyの音色は基本的に同じだと思う。
エンクロージャーサイズの相違がキャラクターの違いとして出ている。
アーデンの豊かな低域に対して、バークレイの低音はアーデンほど
ローエンドまで伸びきっていないが、より引き締まっていて軽快でフレッシュ。
アーデンは豊かで重厚な音 (山中敬三 井上卓也)
修理業者A 2本で約13万弱(高域/低域ユニットのギャップ内清掃研磨含む)
修理業者B 2本で4万4千円 (ウーファーのみギャップ内清掃込みで
分解オーバーホールは別途1万)
修理業者C 2本で4万2千円 (ギャップ内清掃含む 税送料込み)
Bは納期15日でしたが業者Cに依頼しました。
納期は約三週間です。
TANNOY ARDEN のスピーカーターミナル交換。ウーハーが38cmと大きく、
開口部が広いので作業がしやすい。吸音材のスポンジを持ち上げて内部配線を
止めているネジをプラスドライバーで緩めればスピーカーターミナルの交換は簡単にできます。
交換したスピーカーターミナル。かなり酸化が進んでいます。
ANNOY ARDEN SP端子 交換作業はネジを外し、抜いて差すだけ。
穴はもともと空いてるところに差し替えるだけでピッタリ適合。
つまりはドリルなどを使って穴あけの加工などは一切しなくてよい。
素人でも簡単に交換できる。内部配線を交換せず丸形端子と
ファストン端子が付いたオリジナルの内部配線を流用する場合、
スピーカーターミナルのネジ径はリンク先の4mmが適合する。
英国QEDの銀コート線でARDENの内部配線を制作しました。
ファストン端子、丸型端子ケーブル以外に必要だったの圧着工具とペンチ、
カッターナイフだけでした。スピーカーターミナルからネットワークまでを繋ぎます。
古い線材はシースで覆われていても酸化して音が鈍っているのでフレッシュな音になる。
TANNOY HPD385A ペア7万でリコーンもしてくれるそうだ。エッジ交換は4万2千円。
HPD385A修理 『ボケた音がしているわけでもないのに社外品リコーンは論外』
とディーラーに言われました 『ウレタンは安いしすぐ朽ちるけど音は最高』
顧客ヘのサービス精神で一時期ゴムエッジに張り替えを推進してきたが
やはり音質に納得できず、この音を当店の音だとして世に広めたくないので止めたそうだ
TANNOY社がオリジナルコーン紙の供給を極端に絞り込んできて入って来ないんですね。
現行よりも昔の製品の方が良いと認識されているブランドでセールスに
苦心しての事ではないだろうか。日本のユーザーが大量に保守部品を買い占めるので
危機感を持ったというのもある。
TANNOY HPD385A のエッジ交換。予定通り約三週間弱で修理完了のメールが来ました。
結局はオリジナルのウレタンエッジに両面ラバーコートして加水分解対策したものにしました。
業者さんは前回S3100のエッジ張り替えを依頼したところと同じ ファンテック さんです。
修理を終えた TANNOY HPD385A が到着しました。
作り直した内部配線とネットワークの取り付けの様子。
素晴らしい仕上がり。十分綺麗なコーン紙なので張り替えしなくて良かったです。
早速、実聴開始です。
TANNOY ARDEN は現代スピーカーと比べても違和感なく聴ける。
ARDEN は素晴らしいスピーカーだ。
当時、日本で沢山売れたのが良くわかる。高域の透明感や繊細さ、
音楽の情緒や官能をしっとりと色濃く描き分けるスピーカーで、
現代のスピーカーと比較しても違和感がないクオリティーの高さ。
一世を風靡した日本では JBL ALTEC TANNOY 御三家は間違いがない。
TANNOY ARDEN は 能率が91dBあるので、実測5w弱のSUN AUDIO SV-300BE で
大音量派の自分でも十分に満足できる音量を取り出すことができました。
87dBのHARBETH HL-COMPACT ではか細い音しか出なくて
すぐに音が割れてしまって無理でした。
TANNOY ARDEN 同社を牽引してきたガイ.R.ファウンテン氏の
引退により新体制となったTANNOYが、創立以来の同軸構造を
引き継いで開発したHPD(ハイパフォーマンスデュアルコンセトリック)
ユニットを搭載して1976年に5機種同時発売したスピーカーのトップモデル。
バスレフ型でシンプルな薄型エンクロージュアである。
TANNOY ARDEN は客観的に見て同社の黄金期の製品ではないが、
1950年代のALTEC 604と比べると1976年製である為性能面の進歩が感じ取れる。
ALTEC 604よりかなり解像度が高く、五月蠅いというか激しさや切れがあり、
やや音が粗いALTECより高域の透明感や繊細さに優れ現代的な性能である。
クラシックならARDEN ボーカルなら604に軍配が上がる。